カオス設定
父：サンクラ
母：スタスク
子：サンスト
伯父：スカワ



スタースクリームが子供を産んだ。

軍内でそんなショッキングで突拍子も無い話題が
駆け抜け、それを聞いた者は衝撃が走り暫く時が止まった。

………………………………………はぁ！？

トランスフォーマー達の出産は特殊だ。
地球の生命体のように肉体＜機体＞を持って生まれはしない。
二体のトランスフォーマーが交わる事で稀にスパークが
融合してそれが母体となった者の中で育っていく。

出産はスパークを2つに分けるわけだが、
スパークとは魂もしくは心臓でありこれを分けるということは
相当の危険を伴う。

そんな危険冒してまでスタースクリームが出産するとは…
というか相手は誰だっ！？？

混乱が続く中、
メガトロン直々にコンボイに暫くの停戦宣言がなされて
数年後…

*

デストロン基地の休憩室では現在、微笑ましい光景が繰り広げられていた。
いや、二羽のジェットロンの内の片方にとってはそれどころではない状況のようだが…

じりじりとスカイワープが身を屈め、一方のジェットロンに
にじり寄っていく。一方のジェットロンはスカイワープの
腰の高さほどまでしかない大きさで、カラーは黄色を基調としている。
気弱そうな顔がさらにほんのり涙ぐんでいる。

スカイワープが後退する小さなジェットロンに
がばっ、と襲い掛かりぎゅうぅうう～、と抱きしめる。

「かっわいいなぁ！かわいいなぁ！サンストームぅうう！
さっすが俺のサンダークラッカーとスタースクリームの息子だぜぇ！」

じだじだと暴れるサンストームと呼ばれたジェットロンは
なんとサンダークラッカーとスタースクリームの息子である。
数年前、スタースクリームによって生み出せれ、
サンストームという名をもらった。

性格は見事にサンダークラッカーとスタースクリームの
短所というべきところを受け継いだらしく気弱で泣き虫だ。
今も自分より大きなジェットロンに抱きしめられ、
うるうると涙を携えている。

それに気づいていてもそれすらも
かわいいとスカイワープは放す気配はなくグリグリと撫で回す。
ついに耐えられなくなったのか、ふぇ…という声と共に
サンストームが大きな声で泣き出した。

流石にオロオロとした出したスカイワープを
他所に更に大きな泣き声が休憩室を越えて響く。

と、遠くから
『スダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ』
と地響きが聞こえてくる。
何かが猛スピードでこちらに向かっているようだ。
なんだとスカイワープが振り返ったと同時に
シュンと扉が開きそこから赤い影が飛び出してきた。

「てんめぇスカイワープ！！
俺の息子泣かしてんじゃね～～～！！」
「ぐはぁ！！！」

走ってきた勢いのままにスカイワープに跳び蹴りを
食らわしたスタースクリームは跳び蹴りを食らった時に
手放されたサンストームを素早く攫う。
スカイワープはそのまま壁に激突し、
ゴォオオオンという派手な音と共に沈黙した。
…どうやら息子の泣き声に飛んできたらしい。

スタースクリームは突然のことに吃驚した様子のサンストームを
覗き込むが腕の中で未だにぐずぐずと泣いているのを見ると
心配そうに声をかけた。

「サンストームどうした？あの馬鹿が何かしたのか？怪我はないか？」

ペタペタとサンストームの機体を調べ、
特段怪我も何もしていないことを確認すると、はぁ、と一つ溜息をついた。

こいつは…吃驚して泣いてるだけか？
全くコイツは…

泣きながらぎゅぅう、と縋り付いてくるサンストームに
喝を入れるべく叱り付ける。

「サンストーム！いつまでも泣くなっ」
「ぐずっぐずっ…ん、ひくっ！おっお母さっ」

サンストームにとっては余程怖かったのか叱り付けても
泣き止む気配はなく、寧ろ母親に触れている安心感からか
更に泣き出してしまった。

「あぁ…たっくもう…しょうがねぇなぁ。ほら泣くな泣くな」

こちらからも強めに抱きしめてやり頭に手をぽんぽん乗せてやる。
落ち着いてきたのかスタースクリームのキャノピーに
頭を預けながらサンストームはうつらうつらとしだした。

このまま寝かせちまうか。

ぽん、ぽんと背中を叩いて寝やすいようにしてやる。
そうしている内にどうやら眠ってしまったらしい。
すー、という穏やかな排気音が聞こえてきた。

それに軽く微笑を浮かべるスタースクリームは
数年前とは確実に違っている。

それをひっくり返ったまま見ていたスカイワープといえば…

『本当にかわいいよなぁスタースクリームもサンストームも！』

と思いながら意識を飛ばしたとか何とか。





設定が生かしきれてないねぇorz