トランスフォーマー・ロックマン・忍たまを扱っている非公式ブログ。女性向け注意!
Posted by 月 - 2010.09.15,Wed
ついったの裏垢でぼそぼそやってたネタ投稿。
蛇山さんのお話を元に書いた監禁(する前)スカファスタ
破壊描写ありなので、苦手な方はご注意を
以下、続きを読むより
蛇山さんのお話を元に書いた監禁(する前)スカファスタ
破壊描写ありなので、苦手な方はご注意を
以下、続きを読むより
「愛しているよ 愛しているよ 愛しているよ…私の、私だけのスタースクリーム」
暗闇の中から声が木霊する。
それは空間に広がり、反響し、深く深く、身に刻まれるようだった。
「ぁ…」
静かで優しく、愛しさを含んだ甘やかな声。
だが、どこか怖気の走るそんな声に、暗闇の中にいるものがひくり、とひとつ戦慄いた。
暗闇の中で蠢くものはふたつ。
ひとつはこの暗闇の中でも見失うことのない、純白。
ひとつはその純白に包まれた、鮮赤。
スカイファイアーとスタースクリームだ。
スカイファイアーから吐き出される言葉はどこか哀愁地味た響きを持ち、
それは全てスタースクリームへと向けられた。
敵同士であるふたり。嘗ては仲間として、友として親交を深めたものたち。
だが、今のふたりを見る者があれば、彼らを敵同士ともましてや友とも思えないだろう。
愛しあうもの同士…に見えるだろうか?…見えれば、どれだけ良いことか
『愛』という言葉を裏切るように、スタースクリームの様相は異常をきたしていた。
スカイファイアーに抱き込まれたスタースクリームは、なんとも無残な姿だった。
手足はすでに無く、無理矢理引き千切ったと想像できるその断面は捩れてひしゃげ、ぐちゃぐちゃとした断面を覗かせていた。
断面から伸びる配線はだらしなく垂れ下がり、砕けた内部管からは赤茶色のとろみのあるオイルがぽつり、ぽつりと滴り落ち、床に決して小さくはない水溜りを作る。
更にジェットロンとして、空を駆ける者のアイデンティティである羽は碇のようなものに貫かれ、今や、それを羽と認識することなどできないほどだ。スタースクリームは身動ぎもできずに、ぐったりと弛緩している。
「スタースクリーム、愛しているよ、私だけのものだ」
愛撫を繰り返し、スタースクリームにキスを送る。スカイファイアーからの愛は本物であり、切ないまでの愛しさで溢れているのが目に見えるようだった。
「…ぅ、ぁ、あ、ァ…ちが、ぃ、ゃ、ァだ…っ」
しかし、スタースクリームは否定する。
声を詰まらせ、舌を縺れさせ、恐怖が垣間見える声で。
スカイファイアーは本当に分からない、と不思議そうに小首を傾げる。
「…? 何が? 何も違わないよ、嫌がることもない」
「っ! ち…ぁう!」
スタースクリームが強く否定すると、それまでニコニコと笑っていたスカイファイアーの笑顔に亀裂が走った。
アイセンサーは暗く澱み始め、眉間に皺が寄る。
「…スタースクリーム、私を拒絶するのかい? ………何故? どうして? 何故? こんなにも愛しているのにっ! あんなにも! あんなにも愛しあっていたじゃないかっ!!」
「ひっ…っ」
激しい気迫に押され、スタースクリームの発声回路から声にならぬ悲鳴が漏れる。
ガチガチと歯がぶつかり合い、無意識に機体が震えだす。
「二度と離さないよ、スタースクリーム。もう逃げられない」
そんなスタースクリームなど見えていないかの如く、その言葉とともに、スカイファイアーの手がスタースクリームの羽に触れた。
ひしゃげた羽を慰撫するかのように優しく撫でる。恐怖を感じつつも、スタースクリームの強張りが僅かに緩んだその一拍後、神経回路を焼ききらんばかりの衝撃が襲った。
「ぎ、~~~!!! ッあぁっ、あ゛ぁ゛あ゛あ゛っ!!」
衝撃はスタースクリームの機体を貫き、衝撃はやがてどうしようもない激痛に変わる。力尽きたと思っていたその機体のどこから出てくるのか、その絶叫は長く空間を震わせ、絶望と恐怖に満ちた声が反響する。
スタースクリームの羽は、スカイファイアーの手により握り潰され、メキメキと異音を立てて歪んでいく。スタースクリームの外から、内から、異常を知らせるエラー音と警告、悲鳴が木霊するが、スカイファイアーは先程の不機嫌さはどこに行ったのか、聞き惚れているかうっとりとした愉悦の表情を浮かべた。
「誰にも会わせない、会う必要もない。君には私がいれば十分だ。そうだろう?」
「ぁ、ひ、あ゛ぁ…」
「ね?」
スカイファイアーの笑顔に気圧されたスタースクリームはアイセンサーから冷却液を留めなく溢れさせながらも懸命にこくこくと頷いた。
頷かなければこれ以上何をされるか分かったものではない。スタースクリームの肯定に満足したのか、スカイファイアーは一層嬉しそうな顔を浮かべると今度は優しくスタースクリームを抱きしめた。
「ふふっ、スタースクリーム、私の愛するスタースクリーム、これからもずっと一緒だよ。もう二度と離さない。ずっと一緒だ」
その言葉に触発されたかのように、スタースクリームのアイセンサーからひとつ、雫が流れた。
それっきり、スタースクリームの意識は崩れ落ち、深い闇に落とされていく。
地に堕とされた、自由な者は。
その羽を貫かれ、愛に雁字搦めにされた。
飛び立つことは、二度とない。
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